MathWorksは,2018年3月に予定されている3 gpp 5 g標準仕様の最初のリリースに先駆けて,無線設計・検証をサポートする5 gライブラリを発表しました。5 gライブラリには関数およびリンクレベルのリファレンスデザインが用意されており,新しい3 gpp無線技術の動作やパフォーマンスを検証することができます。無線通信エンジニアは,5 gライブラリを活用することで,5 gを実現する技術や,それらの技術が5 gシステムの設計全体に与える影響を評価するシミュレーションが可能になります。
5 g標準ではモバイルブロードバンド,M2M通信,コネクテッド・ビークルなどのアプリケーション分野におけるイノベーションを促進する高度な技術を導入する予定です。無線システムのエンジニアは5 gライブラリを使用することで,標準規格の最終確定を待たずに新しい5 gテクノロジーを検証し,取り入れることができます。ライブラリに含まれる5 gアルゴリズムおよび38.901チャネルモデルの信頼できるMATLAB実装により,新しい波形や符号化スキームのパフォーマンス特性を迅速に評価し,受信側のアルゴリズムを開発することができます。
Convida无线社,リンクレベルシミュレーション部門リードのLakshmi艾耶氏は次のように述べています。“MATLABでシミュレーションを実行できることにより,5 gワーキンググループメンバーとのより高度な連携を実現することができます。弊社が協力する多くの5 gワーキンググループの企業がシミュレーションやデータ解析にMATLABを使用しているためです。標準仕様について,他のメンバーと確かな情報に基づいた議論をするためには,互いの前提条件や結果を比較できるようにする必要があります。そして,その議論の大部分はシミュレーションに依存しているのです。5 gライブラリを使用したMATLABシミュレーションを利用することで対話を一層進めることができます。」
MathWorksシニアストラテジストの肯Karnofskyは次のように述べています。“新しい5 g標準に準拠する製品を開発する無線エンジニアは,非常に大きな変化と複雑さに直面しています。信頼性に優れ,カスタマイズ可能で,詳しくドキュメント化された5 gライブラリは,新しい5 gテクノロジーの習得期間を短縮し,エンジニアは仕様と性能目標が合致した設計を構築・検証することができます。」
5 gライブラリは,LTE系统工具箱のアドオンで,無料でダウンロードすることがきます。提供される機能は以下の通りです。
- チャネルモデル(3 gpp TR 38.901で指定される抽头延迟线(TDL)および集群延迟线(CDL)チャネルモデルを含む)
- スペクトル効率を向上させる新しい無線波形(过滤OFDM (F-OFDM),窗口的OFDM (W-OFDM)および循环前缀OFDM (CP-OFDM)を含む)
- LDPCなどの新しい符号化スキーム(管理情報向けデータ符号およびポーラ符号用,エラーの修正用,およびデータレートの改善用)
- リンクスループットの測定を可能にするリンクレベルシミュレーションのリファレンス設計
5 gライブラリは5 gテクノロジーを開発するためのMATLABおよび仿真软件金宝appの一連の機能を補完する以下の機能を備えています。
- 大規模なMIMOアンテナアレイのモデリングおよびハイブリッドビームフォーミングアーキテクチャの設計
- ミリ波の周波数におけるデータ転送速度を向上させるための,射频システムアーキテクチャ,パワーアンプ,デジタル補償のモデリング
- 5 gハードウェアのテストベッドを短時間で開発するためのFPGA実装の自動化
5 gライブラリはすでに提供が開始されています。無線通信エンジニアチームがMATLABを使い,アルゴリズム開発からシステム全体のシミュレーション,ハードウェア実装にいたるまで,あらゆる工程において時間の短縮を実現しています。詳細については,MATLABを使用した5 g無線テクノロジーの開発を参照してください。