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分位数と百分位数
この節では、Statistics and Machine Learning Toolbox™ 関数quantile
およびprctile
による分位数と百分位数の計算方法を説明します。
関数prctile
は、quantile
による分位数の計算と似た方法で百分位数を計算します。次に示す分位数の計算手順は百分位数の場合でも同じです。データ標本が同じ場合、値 Q での分位数は値 P = 100*Q での百分位数と同じになります。
quantile
を使用すると、最初にX
で並べ替えられた値が (0.5/n)、(1.5/n)、・・・([n – 0.5]/n) の各分位数に代入されます。以下に例を示します。6 個の要素を含むデータ ベクトル、たとえば {6, 3, 2, 10, 8, 1} の場合、並べ替えた後の要素 {1, 2, 3, 6, 8, 10} は、それぞれ (0.5/6)、(1.5/6)、(2.5/6)、(3.5/6)、(4.5/6)、(5.5/6) の分位数に対応します。
5 個の要素を含むデータ ベクトル、たとえば {2, 10, 5, 9, 13} の場合、並べ替えた後の要素 {2, 5, 9, 10, 13} は、それぞれ 0.1、0.3、0.5、0.7、0.9 の分位数に対応します。
次の図は、この手法をデータ ベクトル X = {2, 10, 5, 9, 13} に対して適用した場合のものです。最初の観測は累積確率 1/5 = 0.2 に対応し、2 番目の観測は累積確率 2/5 = 0.4 に対応します。その他も同様です。この図のステップ関数はこれらの累積確率を表しています。一方、
quantile
は観測値を中点に配置するため、最初の観測を 0.5/5 = 0.1、2 番目の観測値を 1.5/5 = 0.3 などのように一致させ、最終的にこれらの中点が線で結合されます。次の図の赤い線は各中点を結んでいます。分位数への観測値の代入
p
分位数に対応する変数 X の値を確認できます。X の分位数
quantile
は、線形内挿を使用してデータ値の間の分位数を求めます。"線形内挿"では線形多項式を使用して関数 f(x) を近似し、既知のデータ点の範囲内に新しいデータ ポイントを作成します。代数的には、y1= f(x1) および y2= f(x2) の場合にデータ点 (x1, y1) と (x2, y2) が与えられると、線形内挿では x1と x2の間にある x について y = f(x) が次のように計算されます。
同様に、1.5/n 分位数が y1.5/n、2.5/n 分位数が y2.5/nの場合、線形内挿では 2.3/n 分位数の y2.3 / nは次のように計算されます。
quantile
は、X の最初の値である 0.5/n をより小さい確率の分位数に、最後の値である [n–0.5]/n をより大きい確率の分位数に代入します。
参照
[1] Langford, E. “Quartiles in Elementary Statistics”, Journal of Statistics Education. Vol. 14, No. 3, 2006.