レガシ関数としての C++ オブジェクト メソッド
この例では、レガシ コード ツールを使用して、レガシ C++ オブジェクト メソッドを統合する方法を示します。
レガシ コード ツールを使用すると、以下のことができます。
レガシ関数の仕様を提供する。
レガシ コードを呼び出すためにシミュレーション時に使用される C++ MEX S-Function を生成する。
生成された S-Function をシミュレーション向けにコンパイルし、ビルドする。
レガシ関数の仕様を提供
レガシ コード ツールに含まれる関数は、特定のデータ構造体または構造体配列を引数として使用します。このデータ構造体は、最初の入力として initialize を使用する関数 legacy_code() を呼び出すことで初期化されます。構造体の初期化後、統合されるレガシ コードに対応する値に、構造体のプロパティを割り当てる必要があります。この例で使用されているレガシ C++ クラスの定義は以下のとおりです。
class adder { private: int int_state; public: adder(); int add_one(int increment); int get_val(); };
レガシ ソース コードは、ファイルadder_cpp.h
とadder_cpp.cpp
にあります。
% sldemo_sfun_adder_cppdef = legacy_code('initialize'); def.SFunctionName ='sldemo_sfun_adder_cpp'; def.StartFcnSpec ='createAdder()'; def.OutputFcnSpec ='int32 y1 = adderOutput(int32 u1)'; def.TerminateFcnSpec ='deleteAdder()'; def.HeaderFiles = {'adder_cpp.h'}; def.SourceFiles = {'adder_cpp.cpp'}; def.IncPaths = {'sldemo_lct_src'}; def.SrcPaths = {'sldemo_lct_src'}; def.Options.language ='C++'; def.Options.useTlcWithAccel = false;
シミュレーション時に使用される S-Function の生成とコンパイル
入力引数defによって示される説明に従ってC-MEX s函数の生成とコンパイルを自動的に行うために、1 番目の引数を generate_for_sim に設定して関数 legacy_code() が再び呼び出されます。この S-Function は、シミュレーションでレガシ関数を呼び出すときに使用されます。S-Function のソース コードは、ファイルsldemo_sfun_adder_cpp.cpp
にあります。
legacy_code('generate_for_sim', def);
### Start Compiling sldemo_sfun_adder_cpp mex('-I/tmp/Bdoc22a_1891349_107669/tp2e4adc6e/ex93865240/sldemo_lct_src', '-I/tmp/Bdoc22a_1891349_107669/tp2e4adc6e/ex93865240', '-c', '-outdir', '/tmp/Bdoc22a_1891349_107669/tpcdf3d1cb_a700_4483_9bda_1bbb3f59b331', '/tmp/Bdoc22a_1891349_107669/tp2e4adc6e/ex93865240/sldemo_lct_src/adder_cpp.cpp') Building with 'g++'. MEX completed successfully. mex('sldemo_sfun_adder_cpp.cpp', '-I/tmp/Bdoc22a_1891349_107669/tp2e4adc6e/ex93865240/sldemo_lct_src', '-I/tmp/Bdoc22a_1891349_107669/tp2e4adc6e/ex93865240', '-cxx', '/tmp/Bdoc22a_1891349_107669/tpcdf3d1cb_a700_4483_9bda_1bbb3f59b331/adder_cpp.o') Building with 'g++'. MEX completed successfully. ### Finish Compiling sldemo_sfun_adder_cpp ### Exit
コード生成用の rtwmakecfg.m ファイルの生成
TLC ブロック ファイルの作成後に、最初の入力を rtwmakecfg_generate に設定することで関数 legacy_code() を再び呼び出します。これは、Simulink® Coder™ を介したコード生成をサポートする rtwmakecfg.m ファイルを生成するためです。S-Function に必要なソース ファイルとヘッダー ファイルが S-Function と同じディレクトリにない場合に、コード生成時に作成される makefile 内にこれらの依存関係を追加するとき、rtwmakecfg.m ファイルを生成します。
メモ: モデルのシミュレーションをアクセラレータ モードで実行する場合にのみ、この手順を実行します。
legacy_code('rtwmakecfg_generate', def);
生成された S-Function を呼び出すためのマスクされた S-Function ブロックの生成
C-MEX S-Function ソースのコンパイルが終了したら、最初の入力を slblock_generate に設定して関数 legacy_code() を再び呼び出すことができます。これは、S-Function を呼び出すように設定されたマスク済みの S-Function ブロックを生成するためです。このブロックは新しいモデルに配置されますが、既存のモデルにコピーすることもできます。
% legacy_code('slblock_generate', def);
レガシ コードとの統合
モデルsldemo_lct_cpp sldemo_lct_cpp
は、レガシ コードとの統合を示しています。
open_system('sldemo_lct_cpp') sim('sldemo_lct_cpp');