Main Content

makedist

確率分布オブジェクトの作成

説明

pd= makedist(distname)で、既定のパラメーター値を使用して、分布distnameの確率分布オブジェクトを作成します。

pd= makedist(distname,Name,Value)は、名前と値のペア引数で指定された 1 つまたは複数の分布パラメーター値をもつ確率分布オブジェクトを作成します。

list= makedistは、makedistで作成できる確率分布のリストが含まれている cell 配列listを返します。

makedist -resetは、probという名前のパッケージに含まれているファイルのパスを検索し、ProbabilityDistributionから派生するクラスを実装することにより、分布のリストをリセットします。この構文は、カスタム分布関数を定義した後で使用します。詳細については、Distribution Fitter アプリの使用によるカスタム分布の定義を参照してください。

すべて折りたたむ

標準正規分布のパラメーターに対応する既定のパラメーター値を使用して正規分布オブジェクトを作成します。

pd = makedist ('Normal')
pd = NormalDistribution Normal distribution mu = 0 sigma = 1

pdのオブジェクト関数を使用して、分布の評価と乱数の生成を実行できます。サポートされるオブジェクト関数を表示します。

methods(pd)
Methods for class prob.NormalDistribution: cdf iqr negloglik proflik truncate gather mean paramci random var icdf median pdf std

たとえば、関数iqrを使用して、分布の四分位数間範囲を計算します。

r = iqr(pd)
r = 1.3490

既定のパラメーター値を使用してガンマ分布オブジェクトを作成します。

pd = makedist ('Gamma')
pd = GammaDistribution Gamma distribution a = 1 b = 1

ガンマ分布の平均値を計算します。

mean = mean(pd)
mean = 1

パラメーター値mu = 75およびsigma = 10をもつ正規分布オブジェクトを作成します。

pd = makedist ('Normal','mu',75,'sigma',10)
pd = NormalDistribution Normal distribution mu = 75 sigma = 10

パラメーター値a = 3と既定の値b = 1をもつガンマ分布オブジェクトを作成します。

pd = makedist ('Gamma','a',3)
pd = GammaDistribution Gamma distribution a = 3 b = 1

入力引数

すべて折りたたむ

分布名。以下のいずれかの文字ベクトルまたは string スカラーを指定します。distnameで指定された分布により、返される確率分布オブジェクトのタイプが決まります。

分布名 説明 分布オブジェクト
'Beta' ベータ分布 BetaDistribution
'Binomial' 二項分布 BinomialDistribution
'BirnbaumSaunders' バーンバウム・サンダース分布 BirnbaumSaundersDistribution
'Burr' ブール分布 BurrDistribution
'Exponential' 指数分布 ExponentialDistribution
'ExtremeValue' 極値分布 ExtremeValueDistribution
'Gamma' ガンマ分布 GammaDistribution
'GeneralizedExtremeValue' 一般化極値分布 GeneralizedExtremeValueDistribution
'GeneralizedPareto' 一般化パレート分布 GeneralizedParetoDistribution
'HalfNormal' 半正規分布 HalfNormalDistribution
'InverseGaussian' 逆ガウス分布 InverseGaussianDistribution
'Logistic' ロジスティック分布 LogisticDistribution
'Loglogistic' 対数ロジスティック分布 LoglogisticDistribution
'Lognormal' 対数正規分布 LognormalDistribution
'Loguniform' 対数一様分布 LoguniformDistribution
'Multinomial' 多項分布 MultinomialDistribution
'Nakagami' 仲上分布 NakagamiDistribution
'NegativeBinomial' 負の二項分布 NegativeBinomialDistribution
'Normal' 正規分布 NormalDistribution
'PiecewiseLinear' 区分的線形分布 PiecewiseLinearDistribution
'Poisson' ポアソン分布 PoissonDistribution
'Rayleigh' レイリー分布 RayleighDistribution
'Rician' ライス分布 RicianDistribution
'Stable' 安定分布 StableDistribution
'tLocationScale' t 位置-スケール分布 tLocationScaleDistribution
'Triangular' 三角分布 TriangularDistribution
'Uniform' 一様分布 UniformDistribution
'Weibull' ワイブル分布 WeibullDistribution

名前と値の引数

オプションの引数のペアをName1=Value1,...,NameN=ValueNとして指定します。ここでNameは引数名、Valueは対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後ろにする必要がありますが、ペアの順序は関係ありません。

R2021a より前では、名前と値をそれぞれコンマを使って区切り、Nameを引用符で囲みます。

例:makedist('Normal','mu',10)は、パラメーターmuが 10 でパラメーターsigmaが既定値の 1 と等しい正規分布を指定します。

ベータ分布

すべて折りたたむ

ベータ分布の最初の形状パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Beta'である場合のみ有効です。

例:'a',3

データ型:single|double

ベータ分布の 2 番目の形状パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Beta'である場合のみ有効です。

例:'b',5

データ型:single|double

二項分布

すべて折りたたむ

二項分布の試行回数。正の整数値として指定します。この引数は、distname'Binomial'である場合のみ有効です。

例:'N',25

データ型:single|double

二項分布の各試行の成功確率。[0,1] の範囲にあるスカラー値として指定します。この引数は、distname'Binomial'である場合のみ有効です。

例:'p',0.25

データ型:single|double

バーンバウム・サンダース分布

すべて折りたたむ

バーンバウム・サンダース分布のスケール パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'BirnbaumSaunders'である場合のみ有効です。

例:'beta',2

データ型:single|double

バーンバウム・サンダース分布の形状パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'BirnbaumSaunders'である場合のみ有効です。

例:'gamma',0.5

データ型:single|double

ブール分布

すべて折りたたむ

ブール分布のスケール パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Burr'である場合のみ有効です。

例:'alpha',2

データ型:single|double

ブール分布の最初の形状パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Burr'である場合のみ有効です。

例:'c',2

データ型:single|double

ブール分布の 2 番目の形状パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Burr'である場合のみ有効です。

例:'k',5

データ型:single|double

指数分布

すべて折りたたむ

指数分布の平均。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Exponential'である場合のみ有効です。

例:'mu',5

データ型:single|double

極値分布

すべて折りたたむ

極値分布の位置パラメーター。スカラー値として指定します。この引数は、distname'ExtremeValue'である場合のみ有効です。

例:'mu',-2

データ型:single|double

極値分布のスケール パラメーター。非負のスカラー値として指定します。この引数は、distname'ExtremeValue'である場合のみ有効です。

例:'sigma',2

データ型:single|double

ガンマ分布

すべて折りたたむ

ガンマ分布の形状パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Gamma'である場合のみ有効です。

例:'a',2

データ型:single|double

ガンマ分布のスケール パラメーター。非負のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Gamma'である場合のみ有効です。

例:'b',0

データ型:single|double

一般化極値分布

すべて折りたたむ

一般化極値分布の形状パラメーター。スカラー値として指定します。この引数は、distname'GeneralizedExtremeValue'である場合のみ有効です。

例:'k',0

データ型:single|double

一般化極値分布のスケール パラメーター。非負のスカラー値として指定します。この引数は、distname'GeneralizedExtremeValue'である場合のみ有効です。

例:'sigma',2

データ型:single|double

一般化極値分布の位置パラメーター。スカラー値として指定します。この引数は、distname'GeneralizedExtremeValue'である場合のみ有効です。

例:'mu',1

データ型:single|double

一般化パレート分布

すべて折りたたむ

一般化パレート分布の形状パラメーター。スカラー値として指定します。この引数は、distname'GeneralizedPareto'である場合のみ有効です。

例:'k',0

データ型:single|double

一般化パレート分布のスケール パラメーター。非負のスカラー値として指定します。この引数は、distname'GeneralizedPareto'である場合のみ有効です。

例:'sigma',2

データ型:single|double

一般化パレート分布の位置 (しきい値) パラメーター。スカラー値として指定します。この引数は、distname'GeneralizedPareto'である場合のみ有効です。

例:'theta',2

データ型:single|double

半正規分布

すべて折りたたむ

半正規分布の位置パラメーター。スカラー値として指定します。この引数は、distname'HalfNormal'である場合のみ有効です。

例:'mu',1

データ型:single|double

半正規分布のスケール パラメーター。非負のスカラー値として指定します。この引数は、distname'HalfNormal'である場合のみ有効です。

例:'sigma',2

データ型:single|double

逆ガウス分布

すべて折りたたむ

逆ガウス分布のスケール パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'InverseGaussian'である場合のみ有効です。

例:'mu',2

データ型:single|double

逆ガウス分布の形状パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'InverseGaussian'である場合のみ有効です。

例:'lambda',4

データ型:single|double

ロジスティック分布

すべて折りたたむ

ロジスティック分布の平均。スカラー値として指定します。この引数は、distname'Logistic'である場合のみ有効です。

例:'mu',2

データ型:single|double

ロジスティック分布のスケール パラメーター。非負のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Logistic'である場合のみ有効です。

例:'sigma',4

データ型:single|double

対数ロジスティック分布

すべて折りたたむ

対数ロジスティック分布の対数値の平均。スカラー値として指定します。この引数は、distname'Loglogistic'である場合のみ有効です。

例:'mu',2

データ型:single|double

対数ロジスティック分布の対数値のスケール パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Loglogistic'である場合のみ有効です。

例:'sigma',4

データ型:single|double

対数正規分布

すべて折りたたむ

対数正規分布の対数値の平均。スカラー値として指定します。この引数は、distname'Lognormal'である場合のみ有効です。

例:'mu',2

データ型:single|double

対数正規分布の対数値の標準偏差。非負のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Lognormal'である場合のみ有効です。

例:'sigma',2

データ型:single|double

対数一様分布

すべて折りたたむ

対数一様分布の下限。非負のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Loguniform'である場合のみ有効です。

例:'Lower',2

データ型:single|double

対数一様分布の上限。Lowerより大きいスカラー値として指定します。この引数は、distname'Loguniform'である場合のみ有効です。

例:'Upper',6

データ型:single|double

多項分布

すべて折りたたむ

多項分布の結果の確率。範囲 [0,1] のスカラー値のベクトルを指定します。この確率は、合計が 1 になり、結果 [1, 2, ..., k] に対応します。k は確率ベクトルの要素数です。この引数は、distname'Multinomial'である場合のみ有効です。

例:'Probabilities',[0.1 0.2 0.5 0.2]はそれぞれ、結果が 1、2、3 または 4 になる確率を与えます。

データ型:single|double

仲上分布

すべて折りたたむ

仲上分布の形状パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Nakagami'である場合のみ有効です。

例:'mu',5

データ型:single|double

仲上分布のスケール パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Nakagami'である場合のみ有効です。

例:'omega',5

データ型:single|double

負の二項分布

すべて折りたたむ

負の二項分布の成功回数。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'NegativeBinomial'である場合のみ有効です。

例:'R',5

データ型:single|double

負の二項分布における各試行の成功確率。(0,1] の範囲にあるスカラー値として指定します。この引数は、distname'NegativeBinomial'である場合のみ有効です。

例:'P',0.1

データ型:single|double

正規分布

すべて折りたたむ

正規分布の平均。スカラー値として指定します。この引数は、distname'Normal'である場合のみ有効です。

例:'mu',2

データ型:single|double

正規分布の標準偏差。非負のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Normal'である場合のみ有効です。

例:'sigma',2

データ型:single|double

区分的線形分布

すべて折りたたむ

累積分布関数 (cdf) によって区分的線形分布の勾配が変化するデータ値。単調増加するスカラー値のベクトルとして指定します。この引数は、distname'PiecewiseLinear'である場合のみ有効です。

例:'x',[1 2 3]

データ型:single|double

区分的線形分布のxの各値における累積分布関数値。0 で始まり 1 で終わる、単調増加するスカラー値のベクトルとして指定します。この引数は、distname'PiecewiseLinear'である場合のみ有効です。

例:'Fx',[0.2 0.5 1]

データ型:single|double

ポアソン分布

すべて折りたたむ

ポアソン分布の平均。非負のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Poisson'である場合のみ有効です。

例:'lambda',5

データ型:single|double

レイリー分布

すべて折りたたむ

レイリー分布の定義パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Rayleigh'である場合のみ有効です。

例:'B',3

データ型:single|double

ライス分布

すべて折りたたむ

ライス分布の非心度パラメーター。非負のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Rician'である場合のみ有効です。

例:'s',0

データ型:single|double

ライス分布のスケール パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Rician'である場合のみ有効です。

例:'sigma',2

データ型:single|double

安定分布

すべて折りたたむ

安定分布の 1 番目の形状パラメーター。(0,2] の範囲にあるスカラー値として指定します。この引数は、distname'Stable'である場合のみ有効です。

例:'alpha',1

データ型:single|double

安定分布の 2 番目の形状パラメーター。[–1,1] の範囲にあるスカラー値として指定します。この引数は、distname'Stable'である場合のみ有効です。

例:'beta',0.5

データ型:single|double

安定分布のスケール パラメーター。(0,∞) の範囲にあるスカラー値として指定します。この引数は、distname'Stable'である場合のみ有効です。

例:'gam',2

データ型:single|double

安定分布の位置パラメーター。スカラー値として指定します。この引数は、distname'Stable'である場合のみ有効です。

例:'delta',5

データ型:single|double

t 位置-スケール分布

すべて折りたたむ

t 位置-スケール分布の位置パラメーター。スカラー値として指定します。この引数は、distname'tLocationScale'である場合のみ有効です。

例:'mu',-2

データ型:single|double

t 位置-スケール分布のスケール パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'tLocationScale'である場合のみ有効です。

例:'sigma',2

データ型:single|double

t 位置-スケール分布の自由度。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'tLocationScale'である場合のみ有効です。

例:'nu',20

データ型:single|double

三角分布

すべて折りたたむ

三角分布の下限。スカラー値として指定します。この引数は、distname'Triangular'である場合のみ有効です。

例:'A',-2

データ型:single|double

三角分布のピークの位置。A以上のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Triangular'である場合のみ有効です。

例:'B',1

データ型:single|double

三角分布の上限。B以上のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Triangular'である場合のみ有効です。

例:'C',5

データ型:single|double

一様分布

すべて折りたたむ

一様分布の下限。スカラー値として指定します。この引数は、distname'Uniform'である場合のみ有効です。

例:'Lower',-4

データ型:single|double

一様分布の上限。Lowerより大きいスカラー値として指定します。この引数は、distname'Uniform'である場合のみ有効です。

例:'Upper',2

データ型:single|double

ワイブル分布

すべて折りたたむ

ワイブル分布のスケール パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Weibull'である場合のみ有効です。

例:'A',2

データ型:single|double

ワイブル分布の形状パラメーター。正のスカラー値として指定します。この引数は、distname'Weibull'である場合のみ有効です。

例:'B',5

データ型:single|double

出力引数

すべて折りたたむ

確率分布。distnameで指定されたタイプの確率分布オブジェクトとして返されます。

makedistで作成できる確率分布のリスト。文字ベクトルの cell 配列として返されます。

代替機能

アプリケーション

Distribution Fitterアプリは、ワークスペースからデータをインポートするためのグラフィカル ユーザー インターフェイスを開き、そのデータに確率分布を対話的に当てはめます。その後、分布を確率分布オブジェクトとしてワークスペースに保存できます。Distribution Fitter アプリを開くには、distributionFitterを使用するか、[アプリ] タブの [Distribution Fitter] をクリックします。

バージョン履歴

R2013a で導入