ソリッド ステート ドライブ (SSD) や ハード ディスク ドライブ (HDD) など、現在のストレージ デバイスは高速のデータ暗号化と誤り訂正機能を備えた高度な信号処理サブシステムを必要とします。多くの企業では、これらのサブシステムのために C や C++ 言語で初期アルゴリズムを開発しています。その後これらのアルゴリズムは、FPGA または ASIC 実装のための HDL コードの作成と検証の際に、リファレンス モデルとして使用されます。リファレンス用の C アルゴリズムを HDL に変換するには、エンジニアが C 言語の逐次処理的な動作をハードウェアの並列的動作にマッピングしなければならず、時間がかかる上に間違いも多くなります。このプロセスが、設計の繰り返し作業を非常に困難にしています。
株式会社シグリードでは、MATLAB®と Simulink®でモデルベース デザインを使用することで、アルゴリズム開発と HDL 実装の間のギャップを埋めています。同社の社長兼 CEO である江角淳氏は次のように述べています。「アルゴリズム担当エンジニアが設計したリファレンス モデルから、ハードウェア担当エンジニアがHDL や RTLを設計し、その実装に移行するのは、それぞれのエンジニアが非常に異なるバックグラウンドをもっているため、困難な場合があります。しかし MATLAB と Simulink を利用すれば、アルゴリズム担当エンジニアが自分で HDL を生成することができます。これによって開発が加速され、ハードウェア担当エンジニアは速度や面積の最適化などの他のより重要な設計作業に集中することができます」