主要内容

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二自由度PIDコントローラーの調整(PID調整器)

この例では,PID調整器を使用して2自由度(二自由度PID)コントローラーを設計する方法を示します。また,この例では二自由度コントローラーの性能を1-DOF PIDコントローラーで達成されている性能と比較します。

この例では,プラントをLTIモデルとして表します。金宝app动态仿真模块®モデルのPID控制器(2自由度)ブロックのPID調整器による調整の詳細については,2自由度PIDコントローラーの設計(金宝app仿真软件控制设计)を参照してください。

二自由度PIDコントローラーには,比例項および微分項に設定点の重みが含まれています。1-DOF PID コントローラーと比較すると、2-DOF PID コントローラーでは、設定点の追従でオーバーシュートを大幅に増加させることなく、さらに優れた外乱の抑制が達成されます。2-DOF PID コントローラーを使用した典型的な制御アーキテクチャを次の図に示します。

この例では,次の式で与えられるプラントの1-DOFコントローラーをまず設計します。

G 年代 1 年代 2 + 0.5 年代 + 0.1

G = tf(1,[1 0.5 0.1]);pidTuner (G,“PID”)

この例では,PID調整器の初期設計よりも速い応答がアプリケーションで要求されているとします。[応答時間]スライダーの横にあるテキストボックスに“2”と入力します。

結果の応答は速くなりますが,かなりのオーバーシュートがあります。2-DOF コントローラーを設計して、オーバーシュートを改善します。まず、1-DOF コントローラーを比較用のベースライン コントローラーとして設定します。[エクスポート]矢印をクリックし,[ベースラインとして保存)を選択します。

二自由度コントローラーを設計します。[タイプ]メニューで(PID2)を選択します。

PID調整器は,同じ応答時間をターゲットとする二自由度コントローラーを生成します。右下に表示されるコントローラーパラメーターにより,PID調整器がすべてのコントローラー係数を,設定点の重みbおよびcを含めて調整し,性能とロバスト性とのバランスを取っていることが示されます。2-DOF コントローラーの性能 (実線) を、ベースラインとして保存した 1-DOF コントローラーの性能 (点線) と比較します。

2つ目の自由度を追加することで,設定値追従応答でのオーバーシュートが除去されます。次に,ステップ応答プロットを追加して,2つのコントローラーについて外乱の抑制性能を比較します。[プロットの追加)(入力外乱の抑制)を選択します。

PID調整器は,外乱の抑制プロットを設定値追従プロットと並べて表示します。

外乱の抑制性能は,両方のコントローラーで同一です。したがって,2-DOF コントローラーを使用することで、外乱の抑制をまったく犠牲にせず設定値追従でのオーバーシュートが除去されます。

外乱の抑制もPID調整器の設計フォーカスを変更することで改善できます。まず,[エクスポート]矢印をクリックし,[ベースラインとして保存)を再度選択して,二自由度コントローラーを比較のベースラインに設定します。

応答時間も過渡動作係数も変更せずに設定値追従を優先するには,PID調整器の設計フォーカスを変更します。そのためには,[オプション]をクリックし,[フォーカス]メニューで(入力外乱の抑制)を選択します。

PID調整器はコントローラー係数を,外乱の抑制性能に重点を置いて自動的に再調整します。

バランスを取った既定の設計フォーカスの場合,PID調整器bの値を0から1までの間で選択します。このプラントで,設計フォーカスを変更して外乱の抑制を優先すると,PID調整器b= 0およびc= 0に設定します。したがって,PID調整器はI-PDコントローラーを自動生成し,外乱の抑制用に最適化します(設計フォーカスを設定せず,明示的にI-PDコントローラーを指定しても,同様のコントローラーが生成されます)。

応答プロットでは,設計フォーカスの変更により,バランスの取れた二自由度コントローラーと比較して外乱の抑制がさらに改善されていることが示されています。この改善には,設定値追従がわずかに遅くなるという性能上のいくらかの犠牲が伴います。しかし,この場合も,設定値追従の応答にオーバーシュートはありません。

したがって,二自由度制御を使用することで,設定値追従の性能を1-DOF制御ほど犠牲にすることなく,外乱の抑制を改善できます。システムの性能に対するこれらの効果は,プラントの特性およびコントローラーの速度に強く左右されます。プラントや制御帯域幅によっては,二自由度制御の使用や設計フォーカスの変更は,調整結果にほとんど,あるいはまったく影響を与えません。

参考

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